徳島大学の研究特集

1703020 実用化を目指した脂質代謝異常症に対する新規予防・治療法開発(伊藤孝司)

 

研究課題 実用化を目指した脂質代謝異常症に対する新規予防・治療法開発
クラスター長

伊藤 孝司

所属する研究者氏名

大学院医歯薬学研究部

   伊藤 孝司   教授   創薬生命工学分野
   辻 大輔   助教   創薬生命工学分野

   大高 章    教授   機能分子合成薬学分野
   重永 章    講師   機能分子合成薬学分野

大学院社会産業理工学研究部

   山本 圭   准教授   生体分子機能学分野

研究概要

   脂質(リン脂質及びスフィンゴ糖脂質)は、エネルギー源や細胞膜の主要成分であるのみならず、脂質メディエーターとして多様な生理活性を有する重要な生体物質である。またその代謝系バランスの破綻は多岐に渡る疾患の要因となる。本研究クラスターでは、遺伝性脂質代謝異常症患者由来、または脂質代謝酵素の遺伝子改変ヒト培養細胞や疾患モデルマウスを用い、国内外研究機関と連携して脂質メタボロームの変動解析を行い、代謝酵素欠損による脂質蓄積や異常脂質の生成に基く難治性疾患の分子病態や発症機構を解明する。またこれまで代表者の伊藤と参画者のが明らかにしてきた、脳内GM2ガングリオシド蓄積症の病態マーカーLysoGM2や治療用高機能型酵素遺伝子に関する知見や、大高・重永が全合成に成功したGM2活性化タンパクを利用し、新規治療法(酵素補充療法や遺伝子治療法)を開発し、知財化する。また生物資源産業学研究部の山本は、ホスホリパーゼファミリーの遺伝子破壊により脂質代謝異常に基く新規皮膚疾患マウスモデルを作製し、同疾患に有効な微生物由来酵素や新規生理活性脂質を発見している。本研究では、山本と他の研究者が連携し、微生物由来酵素の大量発現系の構築や生理活性脂質誘導体の化学合成を行い、新規予防法や治療法開発を行う。これらの研究者らがコアとなり、学外研究機関や製薬企業と、脂質代謝異常症に対する機能的な創薬プラットフォームを構築する。

研究者の役割分担

伊藤孝司(大学院医歯薬学研究部・教授・分子治療学)
・研究統括

・脳内GM2蓄積症(GM2ガングリオシドーシス)に対する高機能型酵素遺伝子を利用する組換え酵素補充療法及び遺伝子治療法の開発

・スフィンゴ糖脂質蓄積症(リソソーム病)モデル細胞及びマウス臓器における脂質メタボローム解析

・GM2蓄積症モデル細胞に対する合成GM2活性化タンパクの有効性評価


辻大輔(大学院医歯薬学研究部・助教・病態生化学)

・GM2ガングリオシドーシスを含む脂質代謝異常の責任遺伝子をゲノム編集により改変したヒト培養細胞疾患モデルの構築と治療効果の検討

・GM2ガングリオシドーシスにおけるLysoGM2などの病態増悪因子の作用機構の解明と低分子治療薬の開発

 

山本圭(大学院社会産業理工学研究部・准教授・脂質生化学)  

・脂質代謝異常に基づく難治性皮膚疾患(乾癬、アトピー性皮膚炎など)モデルマウスにおける脂質メタボロームの網羅的脂質解析

・疾患モデルマウスにおける病態マーカー脂質の同定と分画
・治療用微生物由来酵素の大量発現系の構築
・治療用生理活性脂質の探索と有効性評価 

 

大高章(大学院医歯薬学研究部・教授・ペプチド合成化学)
・高機能型GM2活性化タンパクの全合成と伊藤への供給
・機能性タンパクの大量合成法の開発と知財化

 

重永章(大学院医歯薬学研究部・講師・有機合成化学)
・山本が同定した生理活性脂質の全合成と山本への供給
・脂質代謝異常症の予防・治療用脂質誘導体の合成法開発と知財化

研究期間 平成29(2017)年 4月 1日~平成32(2020)年 3月31日
研究成果  

 

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