徳島大学の研究特集

【終了】バイオ医薬品の工業生産に適した ヒト由来細胞の無血清浮遊培養プロセスの開発

研究期間 2020/4/1 - 2023/3/31
研究課題名 【終了】バイオ医薬品の工業生産に適した ヒト由来細胞の無血清浮遊培養プロセスの開発
カテゴリー 全てのクラスター研究クラスター一覧登録クラスター医学終了した研究クラスター基礎薬学創薬バイオバイオ
SDGs 3.保健 8.成長・雇用 9.イノベーション
応募課題
クラスター長氏名 鬼塚 正義(社会産業理工学研究部、生物資源産業学域、助教)
所属する研究者氏名 伊藤 孝司(医歯薬学研究部・薬学域・教授)
月本 準(大学院薬科学教育部・博士課程・うずしおプロジェクト支援学生)
桐山 慧(大学院薬科学教育部・博士課程・ひかりフェローシップ事業支援学生)
研究概要

世界の医療・ヘルスケア市場の成長は著しく、2030年には500兆円規模に拡大すると試算されている。とりわけバイオ医薬品は市場拡大が最も期待される成長ドライバーである。現在、代表的なバイオ医薬品は抗体医薬品であるが一方で、新規ワクチンや遺伝子治療用ウィルスベクター、さらには細胞医薬品など新しい医薬品モダリティ(治療手段)が次々に研究開発されつつある。現在、バイオ医薬品の生産では主に動物細胞がホスト細胞として使用されている。

バイオ医薬品の工業生産において必要不可欠なプラットフォームテクノロジーは、動物細胞の無血清浮遊培養である。無血清浮遊培養とは、生体由来の未知成分混入源となりうる血清を添加しない細胞培養であり、完全合成培地の使用により安全性が担保されている。さらに浮遊培養により細胞は3次元的に増殖することが可能になり、通常の接着培養と比較して100倍以上細胞数が増加する。工業レベルで無血清浮遊培養が成功した例はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞であり、抗体医薬品の工業生産に使用されている。一方、CHO細胞以外でバイオ医薬品の大量生産が工業レベルで実現できる(即ち採算性が見込める)培養系は存在しない。そこで本研究クラスターでは、ヒト由来細胞を対象とした無血清浮遊培養プロセスを開発する。

具体的にはCHO細胞の抗体医薬品生産研究で得たノウハウを駆使し、①ヒト由来細胞株(血清を含む培養液で増殖する接着性細胞)を無血清浮遊馴化する ②無血清浮遊化した細胞の中から優れた細胞増殖性を備えた新規細胞を樹立する ③抗体や酵素などバイオ医薬品シーズの生産能力を評価する。

本研究で開発するヒト由来細胞の新規無血清浮遊培養システムを利用し、タンパク質、ワクチン、遺伝子治療用ウィルス、細胞医薬品などの工業生産プロセスの確立と次世代モダリティ(治療手段)の創製を目指す。

研究概要図


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研究者の役割分担 A.バイオ医薬品創薬ユニット
〇伊藤孝司(創薬工学):バイオ医薬品シーズの発現遺伝子調製、生産バイオ医薬品シーズの分析と薬効評価
〇月本準:生産バイオ医薬品の分析と評価

B.バイオ医薬品生産ユニット
〇鬼塚正義(動物細胞工学・バイオプロセス工学):研究総括、ヒト由来細胞の無血清浮遊培養プロセスの確立とバイオ医薬品シーズの生産
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