徳島大学の研究特集

生物の代謝酵素を利用した環境に優しい 次世代地盤改良技術「バイオグラウト」の開発

研究期間 2020/4/1 - 2023/3/31
研究課題名 生物の代謝酵素を利用した環境に優しい 次世代地盤改良技術「バイオグラウト」の開発
カテゴリー 全てのクラスター研究クラスター一覧登録クラスター工学材料バイオ農学生物ゲノムバイオ理学化学地域貢献
SDGs 7.エネルギー 9.イノベーション 11.都市
クラスター長氏名 平田 章(大学院社会産業理工学研究部、理工学域、准教授)
所属する研究者氏名 松尾 義則(大学院社会産業理工学研究部 理工学域 教授) 
真壁 和裕(大学院社会産業理工学研究部 理工学域 教授)
渡部 稔 (大学院社会産業理工学研究部 理工学域 教授)
田中 保(大学院社会産業理工学研究部 生物資源産業学域 教授)
金丸 芳(大学院社会産業理工学研究部 生物資源産業学域 教授)
川上 竜巳 (大学院社会産業理工学研究部 生物資源産業学域 准教授)
林 順司(大学院社会産業理工学研究部 生物資源産業学域 助教)
安原英明(愛媛大学 大学院理工学研究科 生産環境工学専攻 教授)
研究概要

 近年、多発する地震は土壌の液状化を引き起こし、時には多くの地盤沈下に繋がります。また、風化・侵食は、主に社会基盤施設形成を担うコンクリート構造物のひび割れの原因です。今後、人類が豊かで持続可能な社会を推進するためにも、地球環境に配慮した地盤強化やひび割れ補修は喫緊のグローバル的課題です。そこで本研究では、生物由来ウレアーゼおよびアンモニア酸化酵素の2つの生体触媒を用いて、尿素から炭酸カルシウムを析出させ、土壌中のpHが強アルカリ性を示さない環境低負荷型バイオグラウトの開発を目指します(添付図)。炭酸カルシウムが土壌中やコンクリートの隙間に析出することにより、透水性能が激減します。すなわち、土壌粒子やコンクリート成分同士が炭酸カルシウムにより縫い付けられ、地盤強化やコンクリートのひび割れ補修が可能となります。本研究により開発するバイオグラウトは、従来にはない環境低負荷型のものとして広く認知され、実用化の可能性が高いと考えています。また、本工法では危険な化学薬品(強酸や強アルカリ材料等)を含まず環境に配慮しているため、コンクリート構造物のひび割れ補修材としての適用も可能と考えており、その開発も視野に入れております。

研究概要図


※画像をクリックするとPDFが開きます。

研究者の役割分担 次世代地盤改良技術「バイオグラウト」を開発するに当たり、各専門領域の研究者8名を配しました。
A. 生物ゲノムの選定
 松尾 義則(発生生物学/進化生物学)、真壁 和裕(発生生物学/細胞生物学)、渡部 稔(発生生物学/分子生物学)の3名は動物体内に生息する微生物からウレアーゼおよびアンモニア酸化酵素遺伝子を同定します。平田 章(生化学/構造生物学/微生物学)、川上 竜巳(酵素学/構造生物学/微生物学)、林 順司(酵素学/構造生物学/微生物学)の3名は既存の好熱菌ゲノムからウレアーゼおよびアンモニア酸化酵素遺伝子を同定します。
B. 酵素の調製
 松尾 義則(発生生物学/進化生物学)、真壁 和裕(発生生物学/細胞生物学)、渡部 稔(発生生物学/分子生物学)の3名が、遺伝子工学的手法により、数種類の微生物由来ウレアーゼおよびアンモニア酸化酵素遺伝子の大腸菌発現用プラスミドを構築します。平田 章(生化学/構造生物学/環境生物学)、川上 竜巳(酵素学/構造生物学/微生物学)、林 順司(酵素学/構造生物学/微生物学)の3名が、ウレアーゼおよびアンモニア酸化酵素の組換え酵素をカラムクロマトグフラフィーにより精製します 。金丸 芳(細胞毒性学/食品機能学)、田中 保(脂質生化学/細胞生物学)の2名が、精製酵素の純度、細胞毒性、活性測定法を確立します。
C. バイオグラウトの性能評価
 平田 章(生化学/構造生物学/環境生物学)、安原英明(地盤工学/地球資源工学)の2名が精製酵素を用いて、砂供与体による圧縮・透水試験および砂供与体内部の電子顕微鏡観察を行います。
D.バイオグラウトの品質改良
 平田 章(生化学/構造生物学/環境生物学)、川上 竜巳(酵素学/構造生物学/微生物学)、林 順司(酵素学/構造生物学/微生物学)の3名が、酵素工学的手法により、ウレアーゼおよびアンモニア酸化酵素の活性をさらに向上させます。
以上、全ての研究項目にクラスター長である平田が参画し、研究を統括します。
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