徳島大学の研究特集

ポリウレタンフォームを利用した実用サイズの炭酸アパタイト多孔体の開発と骨再生医療への応用

研究期間 2021/4/1 - 2024/3/31
研究課題名 ポリウレタンフォームを利用した実用サイズの炭酸アパタイト多孔体の開発と骨再生医療への応用
カテゴリー 全てのクラスター研究クラスター一覧登録クラスター医学臨床歯学
SDGs 3.保健 9.イノベーション
応募課題
クラスター長氏名 宮本 洋二(大学院医歯薬学研究部、歯学域、教授)
所属する研究者氏名 工藤 景子(大学院医歯薬学研究部 歯学域 講師)
福田 直志(大学院医歯薬学研究部 歯学域 助教)
秋田 和也(大学院医歯薬学研究部 歯学域 助教)
椋本 修平(大学院医歯薬学研究部 歯学域 大学院生)
栗尾 奈愛(大学院医歯薬学研究部 歯学域 講師)
髙丸 菜都美(大学院医歯薬学研究部 歯学域 講師)
橋本 一郎(大学院医歯薬学研究部 医学域 教授)
石川 邦夫(九州大学大学院歯学研究院 生体材料学分野 教授)
研究概要

 申請者らは九州大学と共同で骨の主成分である炭酸アパタイトの人工合成に世界で初めて成功した。炭酸アパタイトは優れた骨伝導能と骨と置換する特長を有する。当科で治験を行い、ジーシー社からサイトランスグラニュールとして発売された。なお、この功績により内閣府の第1回日本オープンイノベーション大賞選考委員会特別賞を受賞した。

 現在市販されている炭酸アパタイトは緻密顆粒であるため、操作性に劣る。より速い骨の再生および骨再生用のスキャフォールドとしての利用には多孔化が必須であった。2017年度選定クラスターにおいて、我々は硫酸カルシウムを出発物質として炭酸アパタイトの小さい多孔体の作製に成功した(研究概要図①)。硫酸カルシウムは水と練和することによって硬化し任意の形態を付与できる。硫酸カルシウム粉末と蒸留水を混和して、この中にマイクロファイバーを混合し、硬化後、ファイバーを焼却(700℃)・除去することによって、硬化体内にファイバーの形の空洞を作製することができる。この段階では硫酸カルシウムの多孔体であるが、炭酸化、リン酸化を行うことによって、形態は変化させずに組成だけを炭酸アパタイトに変換できた。この手法で種々の気孔径を有する炭酸アパタイト多孔体の作製に成功したが、マイクロファイバーを混入する方法では、2mm程度の大きさの顆粒しか作製できない問題が残った。これを解決する方法として、申請者らは工業用のポリウレタンフォーム(ポリウレタン・スポンジ)を骨格として用いることを考案している(研究概要図②)。ポリウレタンフォーム内に蒸留水で練和した硫酸カルシウムを注入し、硬化後、フォームを焼却することによって、規格化されたフォームの形状の連続気孔を有する実用サイズの炭酸アパタイトの作製を目指す。さらに、これを用いた顎骨再建および骨再生用のスキャフォールドへの応用を検討する。

研究概要図


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研究者の役割分担 宮本 洋二:研究計画の立案、総括
工藤 景子、福田 直志、秋田 和也、椋本 修平:炭酸アパタイト多孔体の作製、X線回折分析、動物実験
栗尾 奈愛、髙丸 菜都美:培養実験
橋本 一郎:医科領域への応用に関する助言、動物実験
石川 邦夫:試作試料の分析および理工学的研究に関する助言
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