徳島大学の研究特集

【終了】次世代紫外光源による病原ウイルス不活化最適化技術の開発と応用

研究期間 2021/4/1 - 2023/10/1
研究課題名 【終了】次世代紫外光源による病原ウイルス不活化最適化技術の開発と応用
カテゴリー 全てのクラスター研究クラスター一覧登録クラスター医学終了した研究クラスター基礎工学電気電子光応用バイオ農学食品
SDGs 3.保健 6.水・衛生 7.エネルギー
応募課題
クラスター長氏名 馬渡 一諭(大学院医歯薬学研究部、医学域・予防環境栄養学分野、講師)
所属する研究者氏名 榎本 崇宏(大学院社会産業理工学研究部、理工学域、電気電子システム分野、准教授)
芥川 正武(大学院社会産業理工学研究部、理工学域、電気電子システム分野、講師)
東 桃代(大学病院、感染制御部、副部長・特任講師)
高橋 章(大学院医歯薬学研究部、医学域、予防環境栄養学分野、教授)
粟飯原 睦美(大学院社会産業理工学研究部、生物資源産業学域、食料科学分野、助教) 
和田 敬宏(日本フネン株式会社、ソリューション本部、研究開発部研究開発課、リーダー)
中屋 隆明(京都府立医科大学、感染病態学教室、教授)
大道寺 智(京都府立医科大学、感染病態学教室、講師)
下畑 隆明(福井県立大学、海洋生物資源学部、准教授)
研究概要

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により世界中で多くの医療崩壊が起き、尊い命が失われている。我が国のCOVID-19患者の約18%、1/6以上が医療や福祉関連施設での発生である。米国などではこの割合が極めて高く、医療空間での感染拡大のリスク低減対策は急務である。本研究は医療空間での感染拡大リスクを低減させるため、次世代の光源を用いた紫外光照射によるウイルス不活化の基盤となるエビデンスの獲得と目的とするCOVID-19拡大ではアルコール消毒剤などの医療用品不足が大きな問題となった。紫外光(UV)照射など他の殺菌方法で常時感染リスクを低減させること必須である。現在, 殺菌灯として広く利用されている低圧水銀紫外線ランプは、水銀使用等の制限により近い将来、発光ダイオード(LED)やエキシマレーザーなどの次世代の光源に移行する必要がある。しかし、これら光源はピーク波長や発光スペクトルが様々で、ウイルス不活化への応用に向けて標準化や最適化が求められている。

 当研究グループは2020年度にA型インフルエンザウイルスの不活化には特定のUV-LEDが紫外線ランプよりも効果が高いことを証明した。さらに、ウイルスの標的分子を発見し、効率的な不活化を可能とする紫外光照射の最適化指標R(AE)を確立した。本研究では、この最適化指標R(AE)がヒトコロナウイルスの不活化に応用可能かを検証する。また、ウイルスの種や亜型、エアロゾルなどのコンディションの違いにも対応可能な指標の開発や改良を進め、医療空間や生活空間の衛生管理への応用を目指す。本研究で開発した技術を応用し、企業と連携して大学病院、関連医療機関及び自治体との連携、生活環境・医療施設内環境への実証試験、連携企業との製品開発する。

研究概要図


※画像をクリックするとPDFが開きます。

研究者の役割分担 馬渡 一諭:研究クラスター総括、ウイルスの種類による紫外光感受性の比較、放射分光スペクトルと不活化効果の比較、ウイルスの状態(エアロゾル等)の比較、各波長の紫外光感受性の決定するウイルス因子を検索、最適化シミュレーションの検証と評価
榎本 崇宏・芥川 正武:紫外光感受性を決定するウイルス因子の分類、とその因子のスコア化(数値化)、光源側因子の抽出と省電力化に向けた対応、既存の数値解析ソフトウエアや人工知能(AI)によるウイルス不活化の最適化シミュレーション
粟飯原 睦美:農業・動物飼育環境へのシーズ探索試験と実証試験、連携企業との製品開発
下畑 隆明:水産業・陸上飼育・養殖へのシーズ探索試験と実証試験、連携企業との製品開発
東 桃代・高橋章:大学病院、関連医療機関及び自治体との連携、生活環境・医療施設内環境への実証実験、連携企業との製品開発
和田 敬宏:シミュレーションの基づいたエコ照射デバイスの開発、農業・動物飼育環境への実証試験と製品開発
中屋 隆明・大道寺 智:宿主細胞や動物の違いによる感染様式の比較、高病原性ウイルスに対する不活化効果の検証
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