徳島大学の研究特集

徳島の特産品(藍、スダチ)の、薬用および産業資源としての活用を志向した基礎研究

研究期間 2021/12/1 - 2024/3/31
研究課題名 徳島の特産品(藍、スダチ)の、薬用および産業資源としての活用を志向した基礎研究
カテゴリー 全てのクラスター研究クラスター一覧登録クラスター薬学創薬工学光応用バイオ農学栄養食品
SDGs 3.保健 15.陸上資源
応募課題
クラスター長氏名 土屋 浩一郎(大学院医歯薬学研究部、薬学域、教授)
所属する研究者氏名 今西 正樹(大学院医歯薬学研究部、薬学域、医薬品機能生化学、助教)
常松 保乃加(大学院薬科学教育部、博士前期課程)
池田 康将(大学院 医歯薬学研究部、医学域、薬理学分野、教授)
船本 雅文(大学院 医歯薬学研究部、医学域、薬理学分野、助教)
常山 幸一(大学院 医歯薬学研究部、医学域、疾患病理学分野、教授)
岸本 幸治 (大学院 社会産業理工学研究部 生物資源産業学域、准教授)
田中 直伸(大学院 医歯薬学研究部、薬学域、生薬学分野、准教授)
研究概要

徳島県はスダチおよび藍の生産量が全国1位であるが、それらの用途は食材(スダチ)や染料(藍)に限られている事から産地間競争のほか、少子高齢化・人口減少に伴う消費の落ち込みを受けて、生産量も漸減している。

ところで、薬用の点からはスダチは類縁の温州ミカンの皮が漢方薬の原料である陳皮として、また、藍は乾癬、白血病、潰瘍性大腸炎の治療に用いられてきたがいずれも作用機序は十分解明されていない。また、藍を原料とした潰瘍性大腸炎治療用民間薬である「青黛」は、一部の患者において肺動脈性肺高血圧症という有害作用が問題となっている。

そこで当研究クラスターでは科学的見地から徳島の特産品(藍、スダチ)の薬用資源としての可能性を見直し、その有効活用に向けてデータを蓄積するとともに、新たな活用法を探索する。また、薬用だけでなく、機能性材料としての活用方法についても検討する。

具体的には、スダチについては糖脂質代謝に与える影響の検討を通じ、新たな代謝性疾患治療薬の開発に結びつける。藍についてはこれまでは藍染めの主成分であるインジゴに着目されてきたが、本研究では藍葉に含まれるインジゴ前駆体に範囲を広げて、薬理活性の検討のほか、藍の植物としての特性を活かした産業用原料としての可能性も検討する。

これらの検討を通じ、徳島県において新規地場産業の創出や6次産業化を図り、地域の活性化に貢献する。

以上の取り組みは、中期目標の「3 社会との連携や社会貢献及び地域を志向した教育・研究に関する目標」および中期計画における「3 社会との連携や社会貢献及び地域を志向した教育・研究に関する目標を達成するための措置」に合致する。

 

研究概要図


※画像をクリックするとPDFが開きます。

研究者の役割分担 各研究者の役割については以下の通りである。
土屋浩一郎:クラスター統括。クラスター長である土屋は、スダチに関しては2003年より研究を開始し、2008年からは「徳島健康・医療クラスター」(~2013年度)で研究を発展させてきた。また、藍については2017年から「藍に関する研究プラットフォーム」に参加してきた経験を活かして本課題の計画を提案した。役割としては研究全体の統括のほか、電子スピン共鳴法を用いた、スダチ、藍成分の抗酸化活性(以上、薬効解析)・光励起反応によるラジカル生成反応を検証・評価(以上、新規産業用材料開発)する。
今西正樹:血管機能に対する、スダチ、藍成分の作用を分子生物学的手法で検証・評価する
池田康将・船本雅文:心不全の予防もしくはリモデリングに関するスダチ、藍成分の作用を分子生物学的手法で検証・評価する
常松保乃加:動物実験、培養実験
常山幸一:モデル動物の病理学的解析
岸本幸治:スダチ、藍成分のがん及びがん幹細胞における代謝リプログラミングの検証・評価
田中直伸:天然物含有成分の分析
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