徳島大学の研究特集

【終了】ケロイド由来線維芽細胞のメカニカルストレスに対する病的感受性亢進の機構解明と抑制薬剤の探索

研究期間 2018/4/1 - 2020/3/31
研究課題名 【終了】ケロイド由来線維芽細胞のメカニカルストレスに対する病的感受性亢進の機構解明と抑制薬剤の探索
カテゴリー 全てのクラスター研究クラスター一覧医学終了した研究クラスター基礎工学機械
SDGs 3.保健
応募課題
クラスター長氏名 佐藤 克也(大学院社会産業理工学研究部、理工学域、講師)
所属する研究者氏名 峯田 一秀(大学院医歯薬学研究部 形成外科分野 助教)
橋本 一郎(大学院医歯薬学研究部 形成外科分野 教授)
南 和幸(山口大学大学院創成科学研究科 機械工学系 教授)
中原 佐(山口大学大学院創成科学研究科 機械工学系 助教)
研究概要

ケロイドは,外科的手術後の縫合創や外傷・熱傷後の瘢痕部に一致して発症する.特に,呼吸性変動を伴う胸腹部や,四肢の関節可動部位に発症しやすく,成因の一つとして病変部でのメカニカルストレスの関与が指摘されている.ケロイドがヒト特有の疾患であり有効な動物モデルが確立されていないことも遠因となり,現状では未だ画期的な治療方法は発見されていない.我々は,ケロイド発症機序におけるメカニカルストレス関与の機構解明を通じて画期的治療方法を開発することを目指している.

昨年度の研究(選定クラスター1703022)により,ケロイド由来線維芽細胞がメカニカルストレスに対して応答頻度・応答強度の両面で病的な感受性を示すことを見出した.着目した生化学シグナルは細胞内Ca2+濃度変動であり,カルシウムシグナルが生化学シグナルカスケードの最上流部に位置し,他のシグナルのトリガーの役割を果たしていることから,メカニカルストレスを要因としたケロイド皮膚線維芽細胞のコラーゲン異常産生に結びつく機構の一端を捉えたと考えられる.

そこで研究内容をより具体化し,発展的に展開する.ケロイド由来線維芽細胞では,カルシウムシグナル応答強度が高くなっていたことに着目し,細胞内カルシウムイオン濃度調整に関与する小胞体の関与について集中的に検証を進める.ターゲットを小胞体ストレスと定め,病的感受性の阻害実験によって有効薬剤を絞込んで,ケロイド・肥厚性瘢痕の予防および治療へとつながる創薬開発を目指す.

研究概要図


※画像をクリックするとPDFが開きます。

研究者の役割分担 1.細胞伸展マイクロデバイスを用いたストレッチ刺激に対する細胞感受性の評価実験
  社会産業理工学研究部
  佐藤克也 理工学域機械科学系バイオメカニクス研究室
2.ケロイド・肥厚性瘢痕由来細胞の単離・培養によるサンプル提供.ならびに阻害実験における有効薬剤の絞り込み
  医歯薬学研究部
  峯田一秀 形成外科学分野
  橋本一郎 形成外科学分野
3.細胞伸展マイクロデバイスのカスタマイズによる実験精度・効率の向上
  南和幸 山口大学大学院機械工学系専攻微小生体機械学研究室
  中原佐 山口大学大学院機械工学系専攻微小生体機械学研究室
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