徳島大学の研究特集

【終了】ペルオキシソーム蛋白質の遺伝的欠損を背景とする脂質代謝異常症への創薬

研究期間 2018/4/1 - 2019/3/31
研究課題名 【終了】ペルオキシソーム蛋白質の遺伝的欠損を背景とする脂質代謝異常症への創薬
カテゴリー 全てのクラスター研究クラスター一覧医学終了した研究クラスター基礎薬学創薬
SDGs 3.保健
応募課題
クラスター長氏名 田中 保(大学院医歯薬研究部、薬学域 衛生薬学分野、准教授)
所属する研究者氏名 田中保(大学院医歯薬学研究部 薬学域・准教授)
山本圭(生物資源産業学研究部 生物資源産業学域・准教授)
佐野茂樹(大学院医歯薬学研究部 薬学域・教授)
中尾允泰(大学院医歯薬学研究部 薬学域・助教)
奥平桂一郎(大学院医歯薬学研究部 薬学域・准教授)
辻大輔(大学院医歯薬学研究部 薬学域・助教
新垣尚捷(大学院医歯薬学研究部 薬学域・准教授)
研究概要

 ペルオキシソームは脂質を酸化分解する細胞内小器官である。この小器官に脂肪酸を運び入れる輸送体を遺伝的に欠損すると、全身に極長鎖脂肪酸が蓄積し、脱髄性の神経変性の発症に至る。臨床タイプは軽症の末梢神経障害型から、予後不良性の大脳神経障害型まで多様である。出生確率は2万人に1人であり、有効な治療薬は存在せず、臨床タイプを決定する因子は極長鎖脂肪酸の蓄積に加算される未知の個人的要因と考えられている。

 昨年度からの発展 昨年度、クラスター長の田中保はこのペルオキシソーム病と診断された患者の血液(11検体)のリピドミクス解析を行い、臨床型重症度を反映するバイオマーカーを選定した。この中には、当初予測した抗アポトーシス活性を示す (VLP)も含まれており、VLPが何らかの形で疾患の進行に関わっている可能性が極めて高くなった。この成果を受け、本年度はこのVLPがこの疾患の創薬標的になるかどうかを試験する。まず、VLPが疾患起因性であるかどうかを動物実験で調べる。さらに、VLP代謝酵素活性の個人差を調べる。このために、分析系、薬理系と専門領域を異にする布陣で、アプローチを行う。また、治療薬の開発を見据え、VLPアナログの合成法に関する研究も行う。

研究概要図


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研究者の役割分担 田中:VLPの静注やVLP分解酵素阻害剤の傾向投与による疾患モデルの作出、行動薬理試験による神経異常の検出、VLP代謝酵素の個人差検出、プロジェクトの統括
佐野/中尾:VLPアナログなど標的物質構造類似物の化学合成
辻:疾患モデルマウスの組織病変の解析
奥平/山本:神経細胞へのVLPの作用機序解明と薬理的評価
新垣:ミトコンドリア機能からの作用機序の解析
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