徳島大学の研究特集

【終了】魚うろこコラーゲンと炭酸アパタイト顆粒の複合化による新規骨再建材料の開発

研究期間 2018/4/1 - 2019/3/31
研究課題名 【終了】魚うろこコラーゲンと炭酸アパタイト顆粒の複合化による新規骨再建材料の開発
カテゴリー 全てのクラスター研究クラスター一覧医学終了した研究クラスター選定クラスター基礎臨床
SDGs
応募課題
クラスター長氏名 宮本 洋二(大学院医歯薬学研究部、口腔外科学分野、教授)
所属する研究者氏名 工藤景子(大学院医歯薬学研究部 口腔外科学分野 助教)
鎌田久美子(大学院医歯薬学研究部 口腔外科学分野 大学院生)
福田直志(大学院医歯薬学研究部 口腔外科学分野 助教)
玉谷哲也(大学院医歯薬学研究部 口腔外科学分野 講師)
工藤隆治(大学院医歯薬学研究部 口腔外科学分野 助教)
秋田和也(大学院医歯薬学研究部 口腔外科学分野 大学院生)
中川貴之(大学院医歯薬学研究部 口腔外科学分野 助教)
橋本一郎(大学院医歯薬学研究部 形成外科学分野 教授)
安倍吉郎(大学院医歯薬学研究部 形成外科学分野 准教授)
石川邦夫(九州大学大学院歯学研究院 生体材料学分野 教授)
研究概要

 骨の無機主成分は炭酸アパタイトで、体内で吸収され骨と置換する。この性質は、現在、骨補填材として広く使用されているハイドロキシアパタイトが体内で吸収されないのと全く異なる。当分野では九州大学との共同研究で骨置換性の炭酸アパタイトの合成に成功した。本材料は多施設臨床治験(本学、九州大学、東京医科歯科大学)を終了し、PMDAへの申請を経て、2018年2月に株式会社ジーシーから市販された。

 しかし、市販された炭酸アパタイトは緻密顆粒である。より速い骨の再生、骨結合のためには、骨形成をさらに促進する多孔化が必須である。多孔体は、再生医療のスキャフォールドとしても期待される。また、緻密顆粒は操作性に劣るため、柔軟なスポンジ化による操作性の向上も必要である。平成29年度選定クラスター研究に採用され、多孔化およびスポンジ化について研究を行った(「炭酸アパタイトの多孔化、スポンジ化による新規骨再建用バイオマテリアルの開発」、クラスター長:宮本洋二)。多孔化に関しては、種々の気孔径を有する炭酸アパタイトの作製に成功し、実験動物への埋植実験を終え、非脱灰切片の作製中である。一方、スポンジ化については研究途中である。そこで、平成30年度はスポンジ化に焦点を絞り、さらに研究を進めたいと考えている。

 スポンジ化のためには、コラーゲンとの複合体化が必要と考えている。一般には、ウシやブタのコラーゲンが用いられるが、哺乳類由来のウイルスやプリオンなどの病原体の感染が大きな問題である。そこで、申請者は魚うろこコラーゲンに着目している。魚うろこコラーゲンは、従来のウシやブタのコラーゲンと比較してウイルスやプリオンなどの人獣共通病原体の感染リスクがないと言われ、より安全な材料と考えられる。

研究概要図

概略図(A4).pdf

研究者の役割分担 宮本洋二:研究計画の立案、総括
工藤景子:スポンジ状試料作製、動物実験
鎌田久美子:スポンジ状試料作製、動物実験
福田直志:炭酸アパタイト顆粒の作製、動物実験
玉谷哲也:動物実験
工藤隆治:マイクロCTによる解析
秋田和也:スポンジ状試料作製、動物実験
中川貴之:動物実験
橋本一郎:医科領域への応用に関する助言、動物実験
安倍吉郎:医科領域への応用に関する動物実験
石川邦夫:理工学的研究に関する助言
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