徳島大学の研究特集

1804012 健康長寿社会の実現に資する高感度歯科口臭検査法の開発(佐野茂樹)

研究課題名 1804012 健康長寿社会の実現に資する高感度歯科口臭検査法の開発(佐野茂樹)
カテゴリー 全てのクラスター、研究クラスター一覧、登録クラスター、医学、歯学、薬学、創薬
クラスター長 佐野 茂樹(大学院医歯薬学研究部 薬学域 教授)
所属する研究者氏名 伊藤 博夫(大学院医歯薬学研究部 歯学域 教授)
玉木 直文(大学院医歯薬学研究部 歯学域 准教授)
中尾 允泰(大学院医歯薬学研究部 薬学域 助教)
福井 誠(大学院医歯薬学研究部 歯学域 助教)
三木 かなめ(大学院医歯薬学研究部 歯学域 助教)
研究概要

 人々の口臭に対する関心は年々高まっているが、口臭の程度を客観的に把握することは極めて困難であり、客観的な機器分析法の確立が望まれている。一方、口臭の原因物質の一つであるメタンチオールは生理的口臭の発生原因であるとともに、病的口臭の発生原因として歯周病の重症度との相関が強く示唆されており、口腔内に存在するメタンチオールの定量分析は、歯周病の早期発見・早期治療のために必要不可欠といえる。しかしながら、実用化されている歯科口臭検査法は、ガスクロマトグラフィーやセンサーチップを使用した呼気からの直接的メタンチオール検出法であり、ガスクロマトグラフィーによる呼気分析は高価で大掛かりな装置を必要とするため、大学病院などのごく一部の口臭専門外来で実施されているにすぎない。また、センサーチップを用いた小型口臭測定器では、歯科診断および診療に十分な定性的かつ定量的情報を得ることができない。さらに、血液や尿などの臨床検体とは異なり、呼気は採取後ただち分析する必要があるため、社会的ニーズである集団検診や疫学調査での実用化の可能性は極めて低い。このような状況下にあって、集団検診や疫学調査にも適用可能な革新的な高感度歯科口臭検査法を開発し、歯周病罹患率の大きく低減した健康長寿社会の実現に資することが本研究の目的である。

 オルトフタルアルデヒド法は、分析対象となる第一級アミンと分析試薬としてのチオールならびにオルトフタルアルデヒドの3成分縮合反応により生じたイソインドール誘導体を、蛍光検出器を備えた高速液体クロマトグラフィーにより分析する方法であり、アミノ酸やペプチドなどの高感度定量分析法として汎用されている。オルトフタルアルデヒド法の分析対象を第一級アミンからチオールへと変更するならば、チオール類の高感度蛍光分析が可能となり、メタンチオールを分析対象とする新たな高感度歯科口臭検査法としての応用が期待できる。しかしながら、オルトフタルアルデヒド法で得られるイソインドール誘導体は一般に不安定であり、生成後直ちに分析する必要があることから、単に既存のオルトフタルアルデヒド法を用いるのであれば集団検診に適用可能な高感度歯科口臭検査法とはなり得ない。

 申請者らは、オルトフタルアルデヒド法における第一級アミン成分の化学構造を精査した結果、国内外に前例のない安定型イソインドール誘導体の創製に成功した平成29年度の成果)。そこで、本成果を基軸として高感度歯科口臭検査法の基盤技術となるチオール類の新規高感度蛍光分析法を開発するとともに、口臭患者や健常者の唾液を検体として、新規高感度蛍光分析法によるメタンチオールの定量分析を実施し、歯周病の集団検診や疫学調査に適用可能な非侵襲性の革新的高感度歯科口臭検査法としての実用化を目指す。

研究概要図

H30   v2
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研究者の役割分担 佐野:研究の統括、チオール類高感度蛍光分析に用いる反応の設計
伊藤:歯科口臭検査法の設計
玉木:歯科口臭検査の実施
中尾:チオール類高感度蛍光分析法の開発
福井:呼気を検体とするメタンチオールの測定
三木:唾液を検体とするメタンチオールの測定
研究期間 2018/6/1 - 2021/3/31