徳島大学の研究特集

【終了】HTLV-1ウイルスの感染伝播抑制と難治性腫瘍成人T細胞白血病/リンパ腫に対する新規治療法の開発

研究期間 2018/4/1 - 2021/3/31
研究課題名 【終了】HTLV-1ウイルスの感染伝播抑制と難治性腫瘍成人T細胞白血病/リンパ腫に対する新規治療法の開発
カテゴリー 全てのクラスター研究クラスター一覧医学終了した研究クラスター基礎臨床歯学
SDGs
応募課題
クラスター長氏名 原田 武志(医歯薬研究部、助教)
所属する研究者氏名 安倍正博(医歯薬学研究部 医学域 血液・内分泌代謝内科学分野 教授)
遠藤逸朗(医歯薬学研究部 医学域 生体機能解析学分野 教授)
藤猪英樹(医歯薬学研究部 歯学域 口腔微生物学分野 教授)
寺町順平(医歯薬学研究部 歯学域 組織再生制御学分野 講師)
日浅雅博(医歯薬学研究部 歯学域 口腔顎顔面矯正学分野 助教)
天眞寛文(医歯薬学研究部 歯学域 口腔顎顔面矯正学分野 特任助教)
研究概要

HTLV-1ウイルス感染症は、現在も尚極めて予後不良である成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)や痙性対麻痺(脊髄症)、ぶどう膜炎、関節症など様々な疾患を発症させるため、有効な治療確立が求められている。我々は最近ATL細胞に高発現のキナーゼを同定し、その阻害がATL細胞に効率よく細胞死を誘導できることを見出した。また、このキナーゼ阻害が破骨細胞活性も抑制したため、ATLLに合併する骨吸収の亢進や高Ca血症も改善できる可能性がある。HTLV-1ウイルスは細胞間を感染伝播し増殖するが、この感染伝播を抑制できればHTLV-1ウイルス関連疾患の発症のみならず、ウイルスの主要な感染経路である母児感染の頻度も抑制できる。現在この感染伝播を抑制する治療法はないが、HTLV-1ウイルスの細胞内増幅や細胞外への移行の際に形成される必須分子群に本キナーゼが含まれているため、その阻害がHTLV-1ウイルスの細胞間伝播やウイルス増殖を抑制できることが示唆される。そこで本研究クラスターではHTLV-1ウイルスの基礎研究者と臨床研究者がお互いのこれまでの研究実績を基盤に、HTLV-1ウイルス感染伝播からATLLの薬剤耐性獲得や調節性T細胞の誘導による免疫不全、高Ca血症惹起に至る種々の病態への本キナーゼの関与、そしてその阻害薬の有用性を明らかにする。我々は本キナーゼの新規薬の合成にも着手しており、新規阻害薬が合成できれば、次の段階として本研究をさらに徳島大学オリジナルの研究として発展させる。徳島県はHTLV-1ウイルス感染のホットスポットであり、徳島県の健康増進のためにも重要な取り組みになる。

研究概要図


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研究者の役割分担  血液内科学、内分泌代謝内科学、ウイルス学などの多角的な視点から、HTLV-1ウイルスの感染伝播機構の解明からATLLの治療開発までの幅広い領域についての検討を分担して行う。
1. ATL細胞に対する抗腫瘍効果の検討: 原田武志、安倍正博
2. ATL細胞による免疫機構に対する影響についての検討: 原田武志、安倍正博
3. ATL細胞の代謝変容に関する検討: 原田武志、安倍正博、遠藤逸朗
4. ATL細胞の破骨細胞/骨芽細胞への影響に関する検討: 遠藤逸朗、寺町順平、日浅雅博、天眞寛文
5. HTLV-1ウイルス感染伝播の評価: 藤猪英樹
6. ATLモデルでの治療効果の検討: 原田武志、安倍正博、寺町順平、日浅雅博、天眞寛文
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