徳島大学の研究特集

【終了】血管透過性制御による革新的薬物送達システムの開発

研究期間 2017/4/1 - 2020/3/31
研究課題名 【終了】血管透過性制御による革新的薬物送達システムの開発
カテゴリー 全てのクラスター研究クラスター一覧終了した研究クラスター薬学創薬
SDGs 3.保健
応募課題
クラスター長氏名 小暮 健太朗(大学院医歯薬学研究部、薬学系 衛生薬学分野・教授・薬物送達学、衛生薬学、教授)
所属する研究者氏名 石田 竜弘(大学院医歯薬学研究部(薬学系)薬物動態制御学分野・教授・薬物送達学)
宇都 義浩(大学院社会産業理工学研究部 応用生物資源学分野・教授・創薬化学)
研究概要

 本研究では、種々の臓器の血管透過性を制御し、物質透過性を亢進するとともに、電流応答性ナノ粒子との組合せにより、革新的薬物送達システムの開発を目指す。
 腫瘍は、高い血管透過性により薬物送達ナノ粒子製剤が透過し蓄積しやすい。そのため、Doxil等の抗癌ナノ粒子製剤は、副作用が少なく高い治療効果を発揮する。しかし、ほとんどの臓器・組織は血管密閉性が高く、ナノ粒子製剤が透過して組織内に薬物を送達することは不可能である。そのため、血管透過性を制御し、ナノ粒子の透過性を亢進できる技術が開発できれば、標的臓器・組織へ効率的な薬物送達が可能になると思われる。クラスター長の小暮は、微弱電流により組織細胞間の隙間が拡大し、ナノ粒子等の浸透性が向上することを見出している(J. Biol. Chem. 2014)。この成果に基づき、標的組織の微弱電流処理により血管内皮の細胞間隙が拡大し、透過性が亢進することで薬物送達効率が向上すると仮説を立てた。さらに、微弱電流に応答してアクティブに標的組織細胞へ侵入可能なナノ粒子を構築し、血管透過性制御との組合せにより、革新的な薬物送達システムになると期待される。本研究クラスターは、微弱電流による細胞間隙開裂に関する小暮の実績と知識をベースとし、宇都教授が開発した発育鶏卵を血管透過性の亢進評価に用い、抗癌ナノ粒子製剤の開発実績と製薬企業とのパイプラインを有する石田教授の実績とスキルを活かし、構想するに至った。

研究概要図
研究者の役割分担 小暮 健太朗:総括、微弱電流処理、血管透過性評価
石田 竜弘:薬物封入リポソーム調製、電流応答性ナノ粒子の開発、薬物送達効率評価
宇都 義浩:発育鶏卵系作成、血管透過性・薬物送達効率評価
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