徳島大学の研究特集

【終了】ポータブルPM2.5分析システムの開発

研究期間 2017/4/1 - 2020/3/31
研究課題名 【終了】ポータブルPM2.5分析システムの開発
カテゴリー 全てのクラスター研究クラスター一覧終了した研究クラスター工学電気電子
SDGs
応募課題
クラスター長氏名 竹内 政樹(大学院医歯薬研究部、薬学部・大気化学、准教授)
所属する研究者氏名 竹内 政樹(薬学部・准教授・大気化学)
田中 秀治(薬学部・教授・分析化学)
山本 孝(理工学部・准教授・物質反応解析学)
水口 仁志(理工学部・講師・電気化学)
山本 祐平(理工学部・助教・無機化学,地球化学)
研究概要

 国民的関心の高い大気汚染物質PM2.5は,粒子径が小さいため,ヒトの気道に深く入り込み,肺のガス交換領域まで浸透する.高感受性者がPM2.5に暴露されると,呼吸器系や循環器系の健康被害を生じる.わが国では2009年にPM2.5の環境基準が設定されたが,現在においても,その達成状況は他の大気汚染物質に比べて極めて不良である.PM2.5の溶存主成分は,SO42-,NO3-及びNH4+の3つであり,これらの濃度は地域や季節,気象条件等によって大きく変化する.しかし,全国各地で汎用されているPM2.5の捕集法はフィルター法,すなわち12時間あるいは24時間毎にフィルターを手動で交換する手法であるため,刻々と変化するPM2.5の成分濃度を追跡することができない.
 そこで本研究では,健康被害を及ぼすPM2.5の正確な実態把握を最終目的として,PM2.5の溶存主成分を高い時間分解能で追跡でき,かつ山岳地域などにも搬入可能なポータブルPM2.5分析システムを開発する.大気からガス状物質及びPM2.5より大きな粒子を除去し,PM2.5のみを捕集できるPM2.5捕集器,捕集液に含まれるNO3-,SO42-及びNH4+を選択的に抽出するイオン分離部,目的成分を非接触的に定量する検出セルを製作し,これらを一体化したフローシステムを構築する.続いて,本システムを地表面だけでなく,越境大気汚染の観測に適した山岳地域でも稼働させる.取得データと既存の分析法より得られた測定値とのクロスチェックを行い,本システムの分析能を評価する.

研究概要図
研究者の役割分担 竹内 政樹:NO3-及びSO42-分離部の設計・製作,ポータブルPM2.5分析システムの構築・評価及び実大気への応用,成果発信・総括

田中 秀治:PM2.5の捕集から計測までを自動化するプログラムの作成

山本 孝:PM2.5捕集器の設計・製作

水口 仁志:NH4+抽出セルの設計・製作

山本 祐平:実大気におけるPM2.5流入経路の検証
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