徳島大学の研究特集

【終了】諷刺の構造 ― 英米文学と認知言語学の知見による安全かつ効果的な諷刺の遂行指針の研究開発

研究期間 2017/4/1 - 2020/3/31
研究課題名 【終了】諷刺の構造 ― 英米文学と認知言語学の知見による安全かつ効果的な諷刺の遂行指針の研究開発
カテゴリー 全てのクラスター研究クラスター一覧終了した研究クラスター人文・社会科学人文
SDGs
クラスター長氏名 山内 暁彦(社会産業理工学研究部、総合科学部・英米文学、准教授)
所属する研究者氏名 山内 暁彦(総合科学部・准教授・英米文学)
山田 仁子(総合科学部・准教授・英語学、認知言語学)
研究概要

諷刺は社会の歪みや害悪を矯正しようとする諷刺家の意図のもとに様々な手法により多様な対象に向け遂行されるものであるが、時として諷刺された対象に過剰な反応を引き起こし、危険な抗争や紛争を招く場合がある。あるいは諷刺の傍観者に極度の不快感を惹起することもある。近年の例では、シャリル・エブドに対するテロ行為や、福島の原発事故とその被害を揶揄した言説、米国トランプ新大統領に対するマスコミや一般大衆からの毀誉褒貶などが挙げられる。

これらの軋轢は、本来の事象が発端であるとは言え、それ以上に諷刺という行為が果たす負の要素が、その要因として無視できない。諷刺の持つ危険性や両義性が生じるメカニズムを明らかにし、その危険性を回避しながら諷刺の効果を高めて行くことは、様々な価値観が衝突し混迷を深めつつある現代社会において諷刺が果たす役割が増大しているのに鑑みて、この上なく大きな意義を持つであろう。

それには諷刺そのものの構造を分析する必要がある。その際は、諷刺に関わるそれぞれの立場の者が、諷刺をどのように見、どのように反応するかという点を研究する際に、認知言語学におけるカテゴリー化の概念を援用することが可能であると考えられる。本研究は、英米文学と認知言語学の異なる手法を共に用いることで、過大な危険を回避しつつ効果的な諷刺をいかに遂行すべきか、あるいは、諷刺に接した際に人々がいかに反応すべきかの指針を得ることを目的とする。

研究概要図
研究者の役割分担 英米文学の立場から山内は、個々の作品、とりわけ米国大統領の言動に関して最近脚光を浴びている、ジョージ・オーウェルの諷刺作品『動物農場』、『1984年』などを題材に、諷刺の様態を解明する。

認知言語学のアプローチ方法を駆使して山田は、諷刺が人間の認知機能をいかに刺激するか、諷刺の実行者、諷刺の対象、そして諷刺を見る者の、それぞれの立場の者に関して、彼らの反応をいかに引き起こすか、というメカニズムを解明する。
ページトップへ