徳島大学の研究特集

【終了】強固な接着と容易な除去を可能にする歯科用スマートセメントの開発

研究期間 2017/4/1 - 2020/3/31
研究課題名 【終了】強固な接着と容易な除去を可能にする歯科用スマートセメントの開発
カテゴリー 全てのクラスター研究クラスター一覧医学終了した研究クラスター基礎歯学
SDGs 3.保健
応募課題
クラスター長氏名 濵田 賢一(大学院医歯薬学研究部、生体材料工学、教授)
所属する研究者氏名 濵田 賢一(歯学部・教授・生体材料工学分野)
田中 栄二(歯学部・教授・口腔顎顔面矯正学分野)
市川 哲雄(歯学部・教授・口腔顎顔面補綴学分野)
松香 芳三(歯学部・教授・顎機能咬合再建学分野)
松尾 敬志(歯学部・教授・歯科保存学分野)
堀内 信也(歯学部・講師・口腔顎顔面矯正学分野)
関根 一光(歯学部・講師・生体材料工学分野)
研究概要

   虫歯などで歯を削った場合,様々な材料で修復物(詰め物や被せ物)を作製し,歯科用セメント(接着剤)で接着して修復することも多い。セメントの進化にともない,接着力不足やセメントの劣化で修復物が脱落する症例は著しく減少したが,接着部周辺の歯に虫歯が再発し,再治療を要する症例は多い。その場合,修復物を除去して治療を行うが,接着が強固で除去が困難となっており,歯を大きく削ったり,力を掛け過ぎて歯が欠けたり,歯根(歯の根)が折れたりする事例は後を絶たない。特に歯根が折れた場合は抜歯となり,患者のQOLを大きく低下させる。また,歯科矯正のために歯に接着する装置は,力を伝えるため強固に接着されるが,矯正治療終了後に装置を除去する際,歯が損傷することがある。
   その解決のため,強固な接着と容易な除去,という相反する性質を両立できるセメント,すなわち,通常の使用時は長期間,強固な接着力を維持し,必要な場合には接着力を大きく低下させて,弱い力で簡単に除去が可能となるセメントが求められている。その開発を目指し,市販のセメントにイオン液体を混ぜたセメントを試作したところ,強固な接着力を維持したまま,通電による接着力の大幅な低下が可能であることを発見した。セメントの高性能化により患者へのダメージが大きくなるというジレンマを解決するため,この発見を発展させ,臨床応用可能なレベルまで開発を進める。

研究概要図
研究者の役割分担 濵田 賢一:研究統括,材料設計
田中 栄二,堀内 信也:矯正用装置を対象とした開発
市川 哲雄:歯科インプラントを対象とした開発
松香 芳三:ブリッジ(連結した被せ物)を対象とした開発
松尾 敬志:修復物を対象とした開発
関根 一光:通電条件と接着力変化の相関の解明
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