徳島大学の研究特集

【終了】細胞内代謝に焦点をあてたシェーグレン症候群の新規治療薬の開発

研究期間 2017/4/1 - 2020/3/31
研究課題名 【終了】細胞内代謝に焦点をあてたシェーグレン症候群の新規治療薬の開発
カテゴリー 全てのクラスター研究クラスター一覧医学終了した研究クラスター基礎
SDGs
応募課題
クラスター長氏名 山田 安希子(大学院医歯薬研究部、助教)
所属する研究者氏名 小迫 英尊(藤井節郎記念医科学センター細胞情報学分野・教授・プロテオミクス、リン酸化プロテオミクス)

山本 武範(先端酵素学研究所プロテオゲノム研究領域蛋白質発現分野・講師・ミトコンドリア学、癌研究、分子細胞生物学)

猪熊 翼(大学院医歯薬学研究部・特任助教・総合薬学研究推進学、有機合成化学)
研究概要

   シェーグレン症候群(SS)は、ドライアイ、ドライマウスを主症状とする自己免疫疾患で、病理組織像において、涙腺および唾液腺特異的に、導管周囲に著明なリンパ球浸潤を認める。浸潤するリンパ球の主体は活性化した自己反応性T細胞であり、これらの免疫反応により外分泌機能が傷害される。これまでに、SSの治療法として自己反応性T細胞の活性化を抑制する方法が模索されてきたが、治療への応用には至っていない。 本研究では細胞内代謝という新たな視点からSSの発症機序の解明および治療法の構築を試みる。
   細胞内代謝の変化が細胞の機能と連動するという、「細胞代謝‐機能連関」は、ワールブルグ効果として癌細胞において知られている。免疫細胞も癌細胞と同様、外部刺激に伴いエネルギー代謝が激しく変動することが予想されるため、ごく最近になって免疫細胞における「細胞代謝‐機能連関」が注目を浴びている。しかしながら、この分野は未開拓であり詳細は未だ不明である。
   本研究はSSの発症メカニズムを「細胞代謝‐機能連関」の視点から探るべく、疾患特異的なT細胞の細胞内代謝システムを解明する。その結果に基づき、自己反応性T細胞の細胞内代謝を正常なT細胞の代謝にシフトさせることで、T細胞の活性化を抑え、病態の発症あるいは増悪を抑制する。結果によっては、癌細胞のエネルギー代謝に関する蓄積された知見を参考にできる可能性があり、研究遂行の見通しは明るいものと考える。

研究概要図
研究者の役割分担 山田 安希子:全実験のサンプル採取、
トランスオミクス解析(各網羅的解析の結果を突き合わせ、創薬標的分子あるいは分子マーカーとなり得る分子を抽出する)、動物実験、臨床検体を用いた検証実験
小迫 英尊:プロテオーム解析、リン酸化プロテオーム解析
山本 武範:メタボローム解析、トランスクリプトーム解析、トランスオミクス解析(エネルギー代謝および癌研究に関する知識に基づき、創薬標的分子を抽出する)
猪熊 翼:有機合成(同定された遺伝子・蛋白質を標的とする薬剤の有機合成)
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