徳島大学の研究特集

【終了】高効率分解処理システム構築のための生分解性高機能バイオプラスチックの創製と評価

研究期間 2019/4/1 - 2022/3/31
研究課題名 【終了】高効率分解処理システム構築のための生分解性高機能バイオプラスチックの創製と評価
カテゴリー 全てのクラスター研究クラスター一覧終了した研究クラスター選定クラスター工学材料バイオ生物バイオ
SDGs 6.水・衛生 12.生産・消費 14.海洋資源 15.陸上資源
応募課題
クラスター長氏名 淺田 元子(大学院社会産業理工学研究部、生物資源産業学域、講師)
所属する研究者氏名 淺田元子(大学院社会産業理工学研究部生物資源産業学域・講師)
佐々木千鶴(大学院社会産業理工学研究部生物資源産業学域・准教授)
異島 優(大学院医歯薬研究部薬学域・准教授)
林 順司(大学院社会産業理工学研究部生物資源産業学域・助教)
大西康太(大学院医歯薬研究部医学域・助教)
研究概要

近年、マイクロプラスチックは土壌、海洋、大気の環境汚染を引き起こし、家畜や魚類への深刻な食料汚染が懸念されている(Allen et al., Nature Geoscience, 2019.4)。食料汚染を広げる原因には、石油由来プラスチックが持つ親油性の有害物質を表面に吸着しやすいという特性にもある。その代替となる生分解性バイオプラスチックの製造は開発段階であり、原料や機能の異なる数点が販売されている。現在、国内外で糖質やデンプン質作物または微生物から製造されているが、耐熱性や強度の低さ、食料との競合、生産コストといった課題がある。さらに潜在する難題は、生分解性プラスチックといえども処かまわず廃棄できないということにある。すなわち、回収、分解まで面倒を見なければ生分解性プラスチックはヘドロ状の環境負荷物となるのである。そこで本研究では、地球上で第1、2位の存在量である植物性バイオマスから生分解性プラスチックの製造をし、実用化を見据えた機能性評価と安定的で効率の良い分解システムの構築に挑戦する。バイオマス中で複雑に絡み合っているセルロースとリグニンを環境低負荷かつ迅速な前処理法である高活性水蒸気処理と粉砕処理を用いて効率的に分離する。各成分を用い、セルロースからはセルロースナノファイバーと生分解性ポリマーであるポリ乳酸を製造、混練して強度や耐熱性のある(実用可能な)生分解性プラスチックを作製する。リグニンからはエポキシ樹脂やフェノール樹脂を合成した後、電子基板材料や自動車体部材としての利用可能性を検討する。さらに、プラスチック使用後のマイクロプラスチックによる環境汚染を防止するために、製造したバイオプラスチックと、化石資源由来プラスチックの有害物質吸着性について比較し、分解、無害化するための処理システムを開発する

研究概要図


※画像をクリックするとPDFが開きます。

研究者の役割分担 淺田元子・・・植物性バイオマスの前処理、生分解プラスチックの製造、マイクロプラスチック分解処理システムの構築、セルロースナノファイバー・エポキシ樹脂・フェノール樹脂の製造
佐々木千鶴・・分解菌によるマイクロプラスチック分解、分解評価
異島 優・・・マイクロプラスチック吸着有機物質の細胞毒性の検証
林 順司・・・マイクロプラスチック分解菌の単離と培養
大西康太・・・マイクロプラスチック吸着有機物質の同定と吸着量測定
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