卒業生の声 アカデミア研究者
新たな視点から
病気を解明したくて
唾液腺でおこる
免疫異常を研究中!
徳島大学大学院博士課程の修了後には、多様なキャリアパスが存在します。アカデミア研究者•教員、企業研究者、ベンチャー経営者、大学の技術職員など、その活躍の場は非常に広範囲です。
本コーナーでは本学博士課程を修了した先輩たちのリアルな姿を紹介していきます。
今回紹介するのは、徳島大学大学院医歯薬学研究部 歯学域 口腔分子病態学分野 助教、ポストLEDフォトニクス研究所(以下、pLED) 医光融合研究部門(併任)の大塚邦紘先生。自身の研究への思いや、アカデミアの研究者として博士課程進学について語っていただきました。
本コーナーでは本学博士課程を修了した先輩たちのリアルな姿を紹介していきます。
今回紹介するのは、徳島大学大学院医歯薬学研究部 歯学域 口腔分子病態学分野 助教、ポストLEDフォトニクス研究所(以下、pLED) 医光融合研究部門(併任)の大塚邦紘先生。自身の研究への思いや、アカデミアの研究者として博士課程進学について語っていただきました。
臨床の勉強をすることで
基礎研究の面白さを感じて博士課程へ!
私は病気の発症メカニズムの解明や医光融合領域の基礎研究に取り組んでいるのですが、歯学部の2年や3年生のときは基礎研究にはさほど興味があったわけではありませんでした。でもその後に、臨床の講義でいろいろな病気のことを勉強していくにつれて、逆に病気の原因やメカニズムといった病理学に興味が湧き出しました。これが5年生ぐらいの話で、それから歯科医師の国家試験の勉強を進めるうちに、臨床よりも基礎研究が面白そうだなと思うようになりました。もともと、人とは違う分野に進みたかったのもあり、大学院では基礎系である病理学の講座に進みました。博士課程に進む学生はほとんどが臨床分野に進むので、同級生でも基礎研究に進んだのは私だけで、正直不安でしたが、やりたいことに挑戦できるのも今しかないと思い、決めることができました。
病理診断で感じた臨床的な疑問をきっかけに
基礎研究に没頭した博士課程!
博士課程では、歯学部の口腔分子病態学分野に在籍し、病理学と免疫学の両面から自己免疫疾患の研究に携わりました。この研究を通じて、病理学と免疫学両方の知見を得ることができたと思っています。
博士課程では、研究に加えて大学病院の病理診断も担当していました。患者さんの口やその周辺から採取した病気の組織をスライド標本にして顕微鏡で観察し、診断していました。
基礎研究をするだけでなく、病理診断を行うことで臨床的な知見を得られたため、「臨床的な疑問から基礎研究をする」という考えができたように思います。また、博士課程の間は、研究に没頭できました。英語論文を読むのも最初は苦労しましたが、興味のある研究内容だと、どんどん読み進めることができました。何か目的をもって博士課程に入ったというよりは、研究そのものに興味があったので、博士課程の期間は私にとって非常に有意義でした。
博士課程では、研究に加えて大学病院の病理診断も担当していました。患者さんの口やその周辺から採取した病気の組織をスライド標本にして顕微鏡で観察し、診断していました。
基礎研究をするだけでなく、病理診断を行うことで臨床的な知見を得られたため、「臨床的な疑問から基礎研究をする」という考えができたように思います。また、博士課程の間は、研究に没頭できました。英語論文を読むのも最初は苦労しましたが、興味のある研究内容だと、どんどん読み進めることができました。何か目的をもって博士課程に入ったというよりは、研究そのものに興味があったので、博士課程の期間は私にとって非常に有意義でした。
さまざまな分野の研究者との連携に刺激を受けつつ、
自己免疫疾患に対する独自の視点を探究
病気の解明という点でいくつかの共同研究を行っています。そこでは連携相手に合わせて自分の立ち位置を変えています。例えば、新たな顕微鏡を作成する研究者と連携するときは、医学的あるいは生物学の知見、組織切片の扱い方などを私が提供します。免疫学の研究者と連携するときは、臨床的あるいは病理学的な知見を私が提供します。また、病理学の研究者と連携する場合は、免疫学的な立場で連携することもあります。多様な分野の先生方と共同研究することは、同時に様々な視点を知ることができ、自身のテーマを発展させるうえで非常にプラスになります。
私自身の主要なテーマとして、歯科医として働く中で口が乾燥してしまう病気に興味をもっています。そういった患者さんでは唾液腺からの唾液の分泌が悪くなっていますが、その原因の1つとして自己免疫疾患といわれる免疫異常があります。免疫異常の原因は色々わかってきていますが、なぜ唾液腺で免疫異常になってしまうのかは、よくわかっていないです。自己免疫疾患はいい治療法が少なく、これまでされてこなかった研究アプローチを用いないと、原因究明や治療法開発には結びつかないのではないかと考えています。私は、唾液腺でおこっている異常な免疫反応を解明すれば、新しい視点が見えてくるのではないかと考えています。そのため、唾液腺での病気の形成についてこだわりを持って研究しています。
私自身の主要なテーマとして、歯科医として働く中で口が乾燥してしまう病気に興味をもっています。そういった患者さんでは唾液腺からの唾液の分泌が悪くなっていますが、その原因の1つとして自己免疫疾患といわれる免疫異常があります。免疫異常の原因は色々わかってきていますが、なぜ唾液腺で免疫異常になってしまうのかは、よくわかっていないです。自己免疫疾患はいい治療法が少なく、これまでされてこなかった研究アプローチを用いないと、原因究明や治療法開発には結びつかないのではないかと考えています。私は、唾液腺でおこっている異常な免疫反応を解明すれば、新しい視点が見えてくるのではないかと考えています。そのため、唾液腺での病気の形成についてこだわりを持って研究しています。
子供の相手も研究をしながら。。。
休日、子供と遊んでリフレッシュしつつも、ついつい研究の話をしてしまいます。データを見ながら、「これはこういうことなんだよ!」とか子供に話しています。4歳の子供は「へ〜」と聞いてくれてはいますが(笑)。
博士課程に行きたいと思ったら、どんどん行くべき
今思い返せば、博士課程の生活は苦しい面はもちろんありましたが、自分の知りたいことを調べられ、研究生活は非常に楽しかったです。そのため、興味のある学生さんは、是非とも博士課程に進んでほしいです。現在、うずしおプロジェクトや博士課程学生への支援制度が充実し、改善されてきています。選択肢の1つとして考えてみてほしいです。
徳島大学大学院
医歯薬学研究部 歯学域 口腔分子病態学分野
ポストLEDフォトニクス研究所医光融合研究部門 (併任)
医歯薬学研究部 歯学域 口腔分子病態学分野
ポストLEDフォトニクス研究所医光融合研究部門 (併任)
助教
大塚邦紘