大学院医歯薬学研究部 難波康祐 教授が実施中の重点クラスター「有機合成化学を起点とするセンシング技術の開発と応用」において、所属している大学院社会産業理工学研究部 小笠原正道 教授と、株式会社ダイセルとの共同研究が、共著論文として発表されました。
小笠原教授/大西主席研究員(株式会社ダイセル)らの研究チームは、キラル化合物のHPLCによる光学異性体分割用に開発されたダイセル社のキラルカラムが、「種々の遷移金属錯体の構造異性体の分離」に極めて有効であることを見出しました。本論文で分離を試みた異性体混合物では、異性体間での構造の差異が微少であり、シリカゲルHPLC/再結晶/蒸留などの常法では分離精製が不可能であるにもかかわらず、ダイセル社のキラルカラムでは異性体の完全分離が可能です。
ダイセル社の最新のキラルカラムでは、多糖類誘導体がシリカゲル担体上に化学結合しており従来品に比べて格段に耐久性が向上しています。本研究成果は、キラルHPLCカラムの開発時において想定されていなかった新たな用途を切り開くものです。
▼論文は以下のサイトよりダウンロードできます。オープンアクセスのため、どなたでも閲覧可能です。
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.organomet.8b00819